前回のフェスはソロパート・ユニットパートで分かれていたが、今回は入り混じってのセトリとなっている。ユニット1組目は天音かなたと宝鐘マリンだ。それぞれのオリジナル曲「特者生存ワンダラダー!!」「Ahoy!! 我ら宝鐘海賊団☆」がまさかのマッシュアップで披露され、出番を取り合うようなせわしない切り替えで会場のボルテージは最高潮に。
そのまま「かなマリ」の二人によるMCをはさんで、再び始まったソロパートでは魔界学校の保健医・癒月ちょこが「ユーフォリア」をゆったりと響かせる。軽やかなステップで回るたび、ロングヘアと衣装のリボンが優雅に揺れた。
可憐な見た目に反して力強い歌唱を持ち味とするアユンダ・リスは、「Sing Out」を熱唱。がなり、ロングトーン、高音を難なく歌いこなし、強烈な存在感を観客の目と耳に焼き付けさせた。同期のアイラニ・イオフィフティーンはジミーサムPによるボカロバラード「Starduster」をカバー。手話をまじえた振り付けで、その思いを世界中の人へ届けた。
M8:Starduster
今度は白銀ノエル、博衣こより、がうる・ぐらで「にっこり^^調査隊のテーマ」。JP・EN混合のユニットだが、ハイテンポなセリフのかけあいも言語の壁を超えて完璧な仕上がりだ。続くがうる・ぐらはボカロEDM「WAVE」を披露。小柄な体と大きなしっぽが特徴の彼女は、セクシーでキレのあるダンスと、ジト目の挑戦的な表情で観客を魅了した。
卓越したダンススキルで毎回観客を驚かせる小鳥遊キアラは、この日に合わせて新オリジナル曲「CHIMERA」をサプライズ披露。指先まで洗練されたパフォーマンスに、呼吸を忘れて見入ってしまった人も多いだろう。
FPSゲームを得意とする獅白ぼたんはアニメ『仮面ライダービルド』の主題歌「Be The One」を歌い、糖度の高い声質でリスナーの心を打ちぬく。アキ・ローゼンタールと癒月ちょこのお姉さん組は、「クレイジー・ビート」で魅惑的なダンスを息ぴったりに披露した。
ここで、モニターに過去のライブ映像のキャプチャーが流れる。思い出がよみがえりエモーショナルな空気が会場を包むなか、ホロライブ最初の全体曲「Shiny Smily Story」が歌われる。<踏み出そう奇跡の一歩を>で全員が前へ一歩踏み出し、17名のまっすぐな合唱が響き渡った。
stage1はここから後半戦。お酒好きで知られるハーフエルフのアキ・ローゼンタールは、エルフ語で綴られた「シャルイース」を披露。伸びやかな歌声と民族調のサウンド、ベリーダンス仕込みの腰つきで、熱狂の幕張メッセに癒しをもたらす。
M15:シャルイース
選曲センスに定評のある戌神ころねが今年選んだのは、古のネット民に愛される「真赤な誓い」だ。美しい即宙も披露し、今年も圧倒的なフィジカルを見せつけた。そんな赤道直下のような熱いステージから急転換、パヴォリア・レイネはシルバーのロングヘアに寒色のライティングを浴びながら、オリジナル曲「Sip Some Tea」を披露した。
一伊那尓栖、ハコス・ベールズ、アユンダ・リス、パヴォリア・レイネの海外組は、ボカロ曲「ジャックポットサッドガール」をカバー。ハイペースなステップや複雑なフォーメーション移動のシンクロ率も、見事なものだった。
M18: ジャックポットサッドガール
表現者として高いポテンシャルを持つハコス・ベールズがソロ演目に選んだのは、映画「竜とそばかすの姫」から「歌よ」。蝶の映像とダンスが連動した世界観の完成度は、ここがhololive fes.会場であることを一瞬忘れさせられるほど。一方の沙花叉クロヱは二度目のフェス出演にして、自身のオリジナル曲「右左君君右下上目きゅるんめちょかわ!」「人生リセットボタンぽちーw」「擬態ごっこ」で豪華なメドレーを構築。二面性のある歌声を響かせ、日ごろのボイトレの成果を存分に発揮した。