メタバースの拡大に伴い、その利用者や事業者に向けた新たな指針として「メタバース・リテラシー・ガイドブック」が公開されました。このガイドブックは、一般社団法人日本デジタル空間経済連盟が1月19日に発表し、株式会社ゆずプラスが代表取締役の水瀬ゆずをはじめとするVR住人が検討委員として参画しました。
メタバースのサステナブルな発展を目指し、メタバースを利用する全ユーザーや事業者に向けて作成されたこのガイドブックは、法的拘束力は持たないものの、広く利用されることを目標にしています。ガイドブックの内容は、ソーシャルVR(VRに対応したコミュニケーションサービス)やMMO(大規模多数同時参加型オンラインゲーム)など、メタバースに関連する多岐にわたるトピックについて多数の議論を経てまとめられました。
検討委員会には、事業者、学識者、弁護士だけでなく、実際にソーシャルVRの住人として活動するユーザーやクリエイターも参加。水瀬ゆず、VR蕎麦屋タナベ、バーチャル美少女ねむといったメタバース界のキーパーソンが、このガイドブックの作成に深く関わっています。
メタバース・リテラシー・ガイドブックとメタバース・リテラシー検討委員会
以下、ガイドブックより引用。
『メタバース・リテラシー検討委員会(以下、本検討委員会)は、日本デジタル空間経済連盟会員企業の有志、学識者、弁護士のほか、メタバースで活躍するユーザー、クリエイターが委員となって、メタバースがサステナブルに発展するために必要となる取組みについて議論をおこなっていくために設置されました。
メタバースビジネス発展の課題は多岐にわたりますが、その課題の一つとして、「メタバース」という言葉は知っているが、実際に利用したことのある人は少ないという認知率と利用率の乖離があります。本検討委員会では、メタバースビジネスの発展とユーザー数の拡大のためには、メタバースに対する一定の知識や倫理観といったメタバース・リテラシーの向上が必要と考え、『メタバース・リテラシー・ガイドブック』(以下、ガイドブック)を作成しました。
ガイドブックは当連盟会員企業、ユーザー、事業者に対し法的拘束力や強制力はなく、ご賛同いただける方によって広く世間で利用されることを目指します。』
※出典:メタバース・リテラシー・ガイドブック
https://jdsef.or.jp/metaverse_literacy_guidebook
検討委員として参画したソーシャルVR住人
・水瀬ゆず
(株式会社ゆずプラス 代表取締役)
一般社団法人プレプラの代表理事。「大阪・関西万博」に関連したEXPO KYOTOの企画・実行メンバー、「けいはんな万博2025運営協議会」の幹事。学校法人立命館 総合企画部 メタバース推進チーム。また、一般社団法人プレプラの代表理事として、不登校生徒を対象にした、自宅にいながらメタバースで心理的居場所づくりを支援するプログラム「ぶいきゃん」などを実施、全国の教育・福祉機関から関心を集めている。
・X : https://twitter.com/yuzunose
・公式サイト : https://www.minaseyuzu.com
・VR蕎麦屋タナベ
(株式会社タナベ 代表取締役社長)
下町で手打ちそば屋を営みながらメタバースで創作活動を行うクリエイター。2023年からはクリエイター業に専念。日産自動車・モスバーガー・カラオケまねきねこ・NHK等のテレビ番組をはじめ、数多くのVRワールド制作を手がける。NHK「ノーナレ」「ワールド JAPAN」、日本テレビ「マツコ会議」「世界一受けたい授業」など、TV出演歴多数。商工会議所やイベントで講演も行う。2023年には吉本興業にも所属し活動の幅を広げる。
・X : https://twitter.com/sobatang1
・公式サイト : https://www.vrtanabe.com/
・バーチャル美少女ねむ
(メタバース文化エバンジェリスト / VTuber / 作家)
黎明期の仮想世界に生きるメタバース住民にして、その文化を伝える「メタバース文化エバンジェリスト」。「バーチャルでなりたい自分になる」をテーマに2017年から美少女アイドルとして活動している自称・世界最古の個人系VTuber。2023年には『メタバース進化論』で「ITエンジニア本大賞2023」ビジネス書部門で大賞を受賞。国連の国際会議「IGF京都2023」に登壇し英語でプレゼンを行った。
・X : https://twitter.com/nemchan_nel
・公式サイト : https://note.com/nemchan_nel/